飛騨の細道 114-「雪」


■雪

雪という文字は「彗」に通じ、
「すすぐ、そそぐ、あらいきよめる、ぬぐう」などの意味がある。
地上のものを掃いて除き、清めるという感じだ。

言われてみれば、雪は地上の汚れも、粗もすべて覆い隠し、
白一色に変えてしまう。

雪は降り始めのころは「さらさら」
静かに雪が降る夜は「しんしん」
しきりに降るのが「こんこん」

庭木や灯籠のうえに降り積もった雪は「綿帽子」
枝からたれさがるようにまとわりつくのが「雪紐(ゆきひも)」
屋根から落ちそうで落ちない積もり方は「雪庇」

降りかたや積もり方、それぞれに、
ふさわしい言葉がある。