飛騨の細道 113-「願う人」


■願う人

人は星のもとに生まれるという説がある。
真言宗では北斗七星を形どっている星を
貧狼星、巨門星、禄存星、文曲星、廉貞星、武曲星、破軍星とよび、
我々は誕生した年の干支によって、自分の星が決まっているという。

自分の星は終世変わることがなく、
巡りくる新しい年によって運勢の強い星になったり、
よくない星になったりするというが、
2月3日の節分の日、飛騨国分寺では、
星を祈念する星祭りが行われていた。
(真言宗では節分の翌日にあたる立春から
翌年の節分までを1年と数えるため、節分は大切な年の始まりなのだ)

この日は、それぞれの星をお祀りしながら、
運勢の強い星にあたった人はより一層よくなるよう、
悪い星にあたった人は災いが免れるように護摩供養を行う。

本堂横の受付ではお札を求める人や、
除災招福のための祈念を申し出る人などが押し寄せ、
多くの老若男女が本堂を埋めた。