飛騨の細道 137-「風土と人(前編)」


■風土と人(前編)

豊かな自然と歴史ある町並み、さらに温泉とおいしい食事が、
コンパクトに収まっている飛騨高山は、
日本人だけでなく外国人にも人気がある。

ところで自分が黄色だと思っている色は、
他人が思う黄色とはたして同じなのだろうか?
幼い頃、そんな疑問を抱き家族に尋ねたことがあったが、
解明する術はなく、今にいたっている。
私は高山へ訪れる外国人を見ると、
同様な疑問が沸々と沸いてくるのだ。

先日、民家群が立ち並ぶ飛騨の里の通訳スタッフから、
そんな疑問を払拭するような興味ある話を聞くことができた。

飛騨の里の茅ぶき合掌屋根を見て、
「なつかしいわ〜、私の国にいるようね」と
口にしたのはアジア圏の観光客ではなく、
オランダ人だったというのだ。

この方はゆったりとした里山風景とオランダそっくりの古民家に感激し、
数年後、娘を同伴して再び飛騨の里へ訪れたのだ。

調べてみるとドイツやオランダには、
日本の古民家そっくりの茅ぶき合掌屋根が立ち並び、
石畳の道路がなければ、日本の田舎と見間違うほどなのだ。

いやはや、世界は広い。


写真/初雪を纏う、飛騨の里の古民家