飛騨の細道 162-「 こころのふるさと」


■こころのふるさと

「ああ、いいなぁ」と思うような風景。
この国では10年もたてば、
残っている保証はない。

写真は直角に曲がり、
さらに戸板のような階段に続く路地で、
ニリン草が咲く2年前の春、
高山の下町で撮った。
しかし、いまこの景色はない。

校区の安全委員会のような場で、
この路地が議題にあがったのだろうか。

自然と人と歳月が築き上げた風情や味、
そして妙味や風合いなど、
なんともいえない気のようなものが、
どんどんとこわされ、そして消えてゆく。

「こころのふるさと高山」のこころは、
何処へいってしまったのだろうか。