飛騨の細道 140-「それってマジっスカ」


■それってマジっスカ

飛騨弁を使わなくなった。
これもTV やネットの影響と、
方言の消失に半ばあきらめてところ、
飛騨高山恒例の24日市で、ほんまもんの飛騨弁を耳にした。

写真上から。
有道しゃもじ/栃の木から切り出したしゃもじ。
お客:これ、離乳食にいいなぁと思って。
職人: ほう、今、よろこばれるでな。
お客:もう一回り小さいといいんだけど……。
職人A: そりゃ、おめえぃ、耳かきになってしまうに(笑)。
職人B: さがいてみねえよ、小さいやつないか。

写真中
宮笠はひのきの木を薄くはいで笠に編んだもの。
職人: この笠は30年もつで。
お客:30年もおりゃ生きとらんで。あはっ。
職人: だいじょうぶ、だいじょうぶ。その笠があるで、生きとれるさ。

写真下
小屋名のしょうけ
竹で編んだざる。使い込むほどいい色になる。
お客:そりゃそうと小屋名の倉端久右ヱ門は生きとるんかな?
職人: 生きとる、 生きとる。
お客:そか。生きとるんか。おりゃ、知り合いやで〜

どっこい、ざいごくさーい、飛騨弁はまだまだ生きていた。


写真/耳を澄ませば