飛騨の細道 7 - 「朝霧に包まれる町。」


■朝霧に包まれる町。

10月の下旬から11月の初旬にかけ、
高山の町はたびたび霧に包まれる。
こうした朝霧が発生した日はきまって快晴になるのだが、
観光客は反対に雨が近いと思ってしまうようだ。

この朝霧、秋になれば飛騨のどこにでも発生するものではなく、
いくつかの気象条件が合わないと無理である。
まずは四方が山で囲まれた盆地であること。
川や用水路など、豊かな水が町を潤していること。
町のまわりに田畑などがあること。
そして空気がきれいで、昼と夜の温度差があることだ。
それに加えて、前日が快晴で夜が寒く、
夜空に満天の星が出ていたら、ほぼ100%近い確率で朝霧が発生する。

朝霧の生い立ちもさることながら、
自然界はじつに微妙なバランスで成り立っているのだ。