飛騨の細道 55-「カーナビのすごさに舌を巻いた」


■カーナビのすごさに舌を巻いた
 
どちらかというと新しい道具に否定的な私は、
カーナビが好きではなかった。

知らない土地へ行くときには、
ヤフーから出力した地図を何枚もセロテープで貼り付けた。
新しい道具に対抗にはあまりにもお粗末な手法だが、
これでも市販の地図よりかなり緻密なルートマップができあがり、
十分用は足せた。

そんな私がカーナビ付きの車を運転することになった。

まずはタッチパネルで行き先の県を選び、
市を選び、町を選び、丁目を選び、最後に番地を選んだ。
それからルート検索を指定すると、
出発場所から目的地までの最短ルートが割り出され、
ディスプレイには
清見I.Cから尾西I.Cまで
距離は140km
所要時間2時間10分
さらに料金は2,410円と表示がされた。

おおっ、そうか。
これから俺は2時間10分の間車を走らせ、140kmも移動し、
財布のなかから2,410円だすのか。

まだ走りだしてもいないのに、
カーナビは「先のことはすべてお見通しよ」と
いわんばかりだ。

それから15分後。車はやさしい女性の声に導かれ
自動車道を南下しはじめた。
衛星からの指示で割り出された矢印が、
地図の上の架空の道の上をゆっくりと移動する。

フロントガラスの向こうには満天の星が輝いていた。
あの星のなかを衛星が回っている。
そう思うと遥か彼方へとつながっている新しい道具が、
急にステキに思えてきた。