飛騨の細道 26 - 「新感覚」


■新感覚

朝市などをうろついていると観光客と間違えられ、
試食を手にしてしまうことがある。

「ひとつどうやな?」
「おいしいやろぉ?」
「安くしておくでいな」とやつぎばやにいわれると
体全身がくすぐったくなり、
その場から逃げたくなってくるのだ。

ここにいるじぶんは観光客でなく、
かといって高山市民でもないような中途半端な気分のまま
朝市通りをあるいた。

そこへ忽然とあわれたメニュー。
最近、めきめきと頭角をあらわしたひだ牛と
みだらし団子を組み合せた串焼きの登場である。

新感覚の取り合わせなのだろうが、
古くからみだらし団子を食べている市民には、
意表すぎて驚く。

食べはしなかったが、この新感覚の串焼きはしごく当たり前に
団子は団子の味がし、牛肉は牛肉の味がするんだろうな。

?楡?Υ3¥?