飛騨の細道 147-「美しさのなかに想いが宿る」


■美しさのなかに想いが宿る。

古代から日本の山野に自生してきたヤマザクラは、
周囲の自然にとけ込みながら、
超然とした美しさをたもっている。

連なって列をつくる集団のソメイヨシノとはちがって
独立して存在するヤマザクラには存在感があり、
自分の切なる気持ちが集中しやすいように思う。

葉桜の高山を後にし、
丹生川ダムの折敷地へとヤマザクラを求めて足を運ぶ。

祠とヤマザクラ。
あぜとヤマザクラ。
芽吹きはじめた山腹の若緑のなかに咲くヤマザクラ。

まるでそこに灯りがともったように
一木サクラは見る人の心をなごませる。


写真/里山のヤマザクラ