飛騨の細道 6 - 「祭りの一こま 宵まつり。」


■祭りの一こま 宵まつり。

屋台の後ろを観光客が金魚のフンのようについていく。
屋台に下がるたくさんの提灯がゆらゆらと揺れ動き、
提灯の灯りで浮かび上がる『見送り』が
なんともいえず綺麗だ。
その姿にレンズを向けようとしたとき、
観光客の素頓狂な質問に私は唖然としてしまった。
「この祭りって屋台がただ動くだけなんですか?」

この観光客は宵まつりに何を期待していたのだろう。
屋台どうしをぶつけあう祭りだと思ったのだろうか。
屋台の上がパカンと割れ、中から驚くようなものが
飛び出てくるとでも思ったのだろうか。
それともウイリーのように屋台が片輪走行でもすると
思ったのだろうか。
どう考えても質問の意図が私にはわからなかった。

写真/秋の高山、宵まつり○下二之町