
目と鼻の先に深い緑色した山並を配し、朝夕と山を眺めながら暮らしてきた村びとたち。春浅いモヤのなかに包まれた種蔵集落は人口わずか20名ほどの村で、雨が降ればモヤが立ち、冷えてくれば霞がかかります。
美しくてうまい山水が暮らしの中を流れている。考えてみればこれほど贅沢なことはありません。飛騨市宮川町種蔵地区ではいたるところで山水が堰を切ったように勢いよく流れ、村全体が澄んだ水の音に洗われている、とても美しい集落です。
中央アジアには地球最後の桃源郷と言われる『フンザ』という村がありますが、石積みの棚田や板蔵や古民家が点在する種蔵は、日本の原風景を残す最後の理想郷かも知れません。
こんな風景は作ろうとして作られるものではなく、祖先たちの果てしない営みの結果が風景として結晶しているのです。
「蚕を飼っていたころは白川郷のような大家族ばかりで、村にも活気があったんやけど。やがて村びとがひとりふたりと町へ出ていくようになると、しだいに寂れてしまって。ところがここにきてや板蔵が脚光を浴びるようになりましてな。よその方に来てもらえると、わたしたち年寄りにも張りが出てきます」
案内してくれた藤城さんがうれしそうに語ってくれました。そんな村に昨年、古民家を改造した宿泊施設ができ、村民あげておもてなしをするといううれしいニュースが飛び込んできました。このツアーでは季節ごとに村びとたちが提供してくれる畑仕事を一緒に手伝いながら、夜は囲炉裏を囲み、村びとから四方山話が聞けるといったゆたかな農山村の恵みを心底味わうことができます。
◎4月/田畑の準備・村びとと一緒に山菜とり・用水路の掃除
◎5月/村びと一緒に水芭蕉の鑑賞。他、そば祭りの手伝い・花もちづくりなど、月毎に様々なカリキュラムを準備しています。
のツアーでは季節に合わせた食材をつかい、塚本さんと一緒に山菜ジャムやりんごジャム、そしてトマトペーストづくりを楽しみます。(持ち帰りはOK)
昼食は塚本さんお手製のパスタ料理や飛騨の豚を使ったもの。さらに畦畑の野菜を使った新鮮なサラダやデザートなどがテーブルに並びます。食後は塚本さん宅の裏山を散策したり、涼しい民家の板の間で寝そべったりと、思い思いの時間が過ごせます。

●全国でも珍しい石積みの棚田風景が見られます
●いろりを囲んで村びとのよもやま話を聞くことができます
●古民家でジャム作りが体験できます



四季の移り変わりのなかに自然の営みがあり、それらとともに種蔵は微妙に表情を変えていく。ここ種蔵集落は訪れる人の心にしみわたる不思議な魅力をたたえています。



宿泊施設/板倉の宿『種蔵』は昔ながらの民家を改築した落着いた趣きのある空間です。母屋と板蔵のコテージタイプ(下段)があります。



